TOEFL iBTがPBT/CBTと異なる5つのポイント

2006年9月30日にCBTが完全に廃止され、同年7月15日から開始されたTOEFL iBT。この新試験形態の押さえ所とは何でしょうか。PBT及びCBTとの違いを明らかにしながら最新試験状況を考察していきます。

【1】Speaking セクションが導入され、Reading・Listening・Speaking・Writingの4セクションで本試験が構成される

何といってもこれです。Speakingセクションの登場。日常的な英会話文化の無い日本人にとっては致命的になりかねない変更点です。Speakingセクションは、Speaking about Familiar Topics(一般的話題について話す)・Speaking about Campus Situations(キャンパス内の状況について話す)・Speaking about Acadmic Course Content(学問・教養的な内容について話す)の3つ(各2問ずつ計6問)に大きく分けられます。Speaking about Familiar Topicsの2問はIndependent Task(単純な質疑応答:『聞く→話す』)で、Speaking about Campus Situations・Speaking about Academic Course Contentの4問はIntegrated Task(文章や会話の総合的な理解力を伴う問題:『読む→聞く→話す』)となっています。そして各セクション30点ずつで、30点×4セクション=120点が満点です。

【2】Integrated Taskが導入される

Reading・Listening・Speaking・Writing全てのスキルを必要とする総合的な問題が見られるようになり、以下の3つが問題として登場します。
 ・Listening→Speaking (Speakingセクションの第1,2問目)
 ・Reading→Listening→Speaking (Speakingセクションの第3,4,5,6問目)
 ・Reading→Listening→Writing (Writingセクションの第1問目)
英文を素早く丁寧に読めなければ話すこともできない、会話を聞きとれなければ書くこともできない、そうした可能性を持つ多面的な英語能力をとう問題がこのTOEFL iBTには出題されます。読んだり聞いたりしたことを実際に話したり書いたりする、まさに留学先での授業で求められる最低限の資質が問われているように思います。

【3】文法問題が無くなった

日本人の得点源ともいうべき文法問題がiBTでは無くなりました。各セクションで間接的に文法力を問われる箇所はいくつかあるため相応の対策を練る必要はありますが、IELTS同様、純粋な文法問題が出てくることはありません。

【4】試験中のメモ取りがOKになる

従来のPBT/CBTでは試験中のメモ取りはNGでしたが、大学での授業でノートを取っているという現状に配慮したのでしょうか、iBTとなってメモ取りが可能になりました。1回の試験時間が3~4時間となり従来より長時間化したということも要因の1つでしょう。ゆえに、実戦さながら講義を聴きながら重要事項をメモするスキルが必要となったわけです。

【5】インターネットを利用しているがCAT形式ではない

インターネット経由で、会場内の受験者全員に同じ内容の問題が配信されます(自宅受験不可)。ゆえに、受験者の解答状況に基づいてそれ以後の問題の難易度を調整するCAT(Computer Adaptive Test)方式はCBTの廃止を以て無くなりました。またCBTであった試験開始前にパソコンの操作方法を説明するtutorialも表示されなくなりました。また研究用のスコアに影響しないダミー問題がReadingかListeningのいずれかに含まれるため、全体の試験所要時間も人によって異なることになります。

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