GRE Verbal 4セクション徹底解説【GRE Analogies】

GRE Verbalは英語での国語力(語彙力・文章読解能力)が問われます。豊富な英単語のボキャブラリーを前提に難解な国語の問題を解くことになるので、「外国語」として英語に触れる我々日本人受験者は辛酸を舐めるセクションです。しかしVerbalセクションの特徴を十分に理解し、試験形態に慣れ、効果的な試験対策を練り単語力増強・問題演習を行うことで高得点を叩き出すことは可能です。

【出題形式】

Analogies (類推問題:約7問程度)
Antonyms(反異語問題:約9問程度)
Sentence Completions(文章完成問題:約6問程度)
Reading Comprehension(読解問題:約8問程度)
 ……計30問(解答時間30分)

最初の問題が高得点獲得の鍵となるのですが、ここではAnalogies・ Antonyms・Sentence Completionのいずれかが出題されます。現在のコンピュータベースの試験はCATを採用しているので、その後上記4つの問題種別がランダムに出題されます。


【GRE Analogies】

GRE Analogies(類推問題)は、Verbalセクション30問中約7問程度出題されます。2つの単語間にどのような関係性があるかを見抜き、その同じ関係性を他の単語ペアに見出すことが必要となります。

Directions: In this question, a related pair of words phrases is followed by five more pairs of words or phrases. Select the pair that best expresses a relationship similar to that expressed in the original pair.
(この問題では、関係性を有する単語または語句のペアに続き、単語または語句のペアが5つ示されます。その5つのペアの中で、最初のペアの関係性と最も近い関係性を有するものを選びなさい。)

本セクションでは単語単体の意味はもちろん、二つの単語が組み合わされた時の辞書的関係性(辞書の定義においてその関係性が必要か否か)を論理的に問われます。

【問題例】
 COLOR : SPECTRUM (色:スペクトル)
  (A) tone : scale (音:音階)
 (B) sound : waves (音:波)
 (C) verse : poem (詩の1行:詩)
 (D) dimension : space (容量:場所)
 (E) cell : organism (細胞:組織)

この場合、color(色)を規則的に並べたものがspectrum(スペクトル)であり、tone(音)を規則的並べたものがscale(音階)なので、答えは(A)となります。

まずはStem Words(問題中大文字で表示される2つの単語)の関係性を推測します。問題として出題される以上、Stem Wordsには何らかの関係性があるのでそれを推測するのですが、ここで簡単な英文を作って結びつけると関係性が一目で見てとれ、分かりやすくなります。この場合だと、
"Color is a part of spectrum."
"Spectrum is a set of bands of color."
といった感じです。ちなみにここでは時間も無いので文法的に正しい文章を作る必要性は全くなく、こじつけの文章でも関係性を表すことが出来ればそれでOKです。

また、これは非常に重要ですが、Stem Wordsと正解単語ペアの品詞の関係性は全く同じです。つまり、Stem Wordsが(名詞:名詞)となっている場合、正解選択肢は必ず(名詞:名詞)となっており、(名詞:形容詞)(名詞:動詞)となることはありません。また、Stem Wordsが(名詞:動詞)となっている場合、正解選択肢は必ず(名詞:動詞)であり、順序が入れ替わって(動詞:名詞)が答えになることもありません。この順序立った品詞分析だけで、不必要な選択肢を消去できる場合が多々あるので、必ず覚えておきましょう。

そしてその後、5つの選択肢の関係性分析に入ります。Stem Wordsの関係性と全く同じ関係性の選択肢が答えになるので、例え同じ関係性を持つ選択肢が2つ以上残ったとしても、その2つのうちどちらがよりStem Wordsの関係性に近いかを分析し、少しでもStem Wordsの関係性に近い方の選択肢を選びます。

そもそも
(B) sound : waves (音:波)
のように、一見関係性があるように見えるけれども、soundの辞書中の定義にwaveは存在しないので、明かに関係性が無いものは一発で消去して構いません。

"Color is a part of spectrum."
の文章に合わせて5つの選択肢を分析すると
(A) Tone is a part of scale.
(C) Verse is a part of poem.
(E) Cell is a part of organism.
というように、3つの選択肢にStem Words同様の関係性が見出すことができます。そして、その場合はより細かく絞った関係性 で比較する必要があります。
"Spectrum is a set of bands of color."
とStem Wordsの関係性を定義しなおすと、
(A) Scale is a set of bands of tone.
だけが当てはまり、答えは(A)と導き出すことができるのです。

GRE VerbalのAnalogiesでは2つの単語間の関係が問われるのですが、代表的な頻出関係パターンは6つあります。この6パターンが全ての問題に当てはまるというわけではありませんが、この6パターンの性質を理解しておくことでかなり解答スピードが早くなることは間違いありません。

(1) 【種類】: a Type/Kind of

一つの単語が母体としてもう一方の単語を含む、つまり一つの単語がもう一方の単語の種類となる関係性で、"A is a type/kind of B."の文章を作ることができます。
【例】
・A lyric (叙情詩) is a type of poem (詩).
Crawling (ゆっくり進む) is a type of proceeding (進む).
・A limousine (リムジン) is a kind of automobile (車).
・A diatribe (痛烈な非難) is a kind of discourse (演説).

(2) 【特徴】: Always/Characterized by

一方の単語がもう一方の単語の特徴や性質を定義づけする関係性で、"A always B."や"A is characterized by B."と文章を作ることができます。
【例】
・An agent (代理人)always represents (代理する) someone.
・A saga (賢人) always has wisdom (知恵).
・An imperturbable (冷静な) man naturally has composure (落ち着き).
・A recluse (世捨て人) is characterized by withdrawnness (消極的).

(3)  【否定】: Never

一方の単語の性質や特徴をもう一方の単語が有しない、つまり二つの単語の意味が逆になる関係性で、"A never B."と文章作成が可能です。
【例】
・An insoluble (不溶性の) thing never dissolves (溶ける).
・Something ambiguous (曖昧な) is never clear (明瞭な).
・An obdurate (頑固な)man never compromises (妥協する).

(4) 【程度】: Extreme/Too

2 つの単語の意味自体は似ているけれども、意味の程度に強弱の違いがある関係性で、"A is extremely B."や"A is too B."といった文章を作ることができますが、この関係性を見る時は単語間に不等号の記号(">" "<")を利用すると視覚的に分かりやすいです。
【例】
・An arrogant (うぬぼれた) man is extremely confident (自信ある).
・A tirade (激しい非難) is an extreme criticism (非難).
・An incensed (激怒した) man is too angry (怒った).
・An extolment (激賞) is a strong praise (賞賛).

(5) 【目的/機能】: For/To

一方の単語がもう一方の単語の行為・目的の因果関係を構成、または機能を説明したり要素を測定したりするという関係性を持ち、"A is for B."や"A is to B."などといった文章が作れます。この関係性では、全選択肢が"A is for measuring B."や"A is a tool for B."、"You do A to B."といった大きな枠組みの文章には当てはまる場合が多く、解答選択が困難を極める場合が多々ありますが、Stem Wordsの関係性を細かく分析し、より焦点を絞った関係性で比較すると解答可能です。
【例】
・A muffler (マフラー) is to warm up your neck (首).
・An antenna (アンテナ) is for receiving signal (信号).
・You study (勉強する) in order to learn (学習する).
・A calorie (カロリー) is a unit for measuring energy (エネルギー).
・A scalpel (外科用メス) is a tool for a surgeon (外科医).
Scowling (顔をしかめる) is for expressing displeasure (不快).

(6) 【部分】: Part of/Consist of

一方の単語が物理的な一部として、全体たるもう一方の単語に含有されているという関係性で、"A is a part of B.""A consists of B."といった文章が作れます。"Part"と"Consist"の意味の違いは、全体がそのものだけで作られていない場合は"Part"、それだけが集合して作られている場合は"Consist"となります。
【例】
・A petal (花弁) is a part of a flower (花びら).
・A palate (口蓋) is a top part of a mouth (口).
・A poem (詩) consists of verses (詩の一行).
・A bouquet (花束) consists of flowers (花).

問題演習を重ねてこれら6分類をマスターすることで、Analogies攻略は時間の問題となります。Stem Wordsの関係性を分析する際、

(1) 両方の単語が分かる場合
5 つの選択肢から直接正解を探しに行き、辞書的関係性の有無を考慮した上でStem Wordsの関係性に当てはまらない選択肢を消去していき、当てはまる関係性を有す選択肢をキープしておきます。関係性が分からない選択肢があっても、消去法で他の選択肢を消していくことで正解の可能性はグンと高くなります。

(2) 一方の単語だけが分かる、または双方共に分からない場合
5 つの選択肢に直接対峙し、まずは辞書的関係性が無い、またはどう考えても品詞の順序が異なる2単語の選択肢を消去していきます。語彙の意味が分からないという劣勢に立っているので、(1)同様基本は消去法で挑まなければなりません。

しかしながら上で述べたように、選択肢を1つ消すと正解を選ぶ確率は20%から25%に、もう1つ消すと33%に高まります。もちろん正解を直接見つけ出す単語力・分析力を身につけることは必要となりますが、超高度な語彙レベルが問われる以上現実的には、いかに不正解の選択肢を見つけ出して消去し正答確率を上げるか、も必要となります。こうした作業を1問当たり約30秒で行えるようになると、Verbalセクション全体のタイムマネジメントが効率的になってきます。非常にスピード感を持ってAnalogiesに臨む必要がありますが、しかしながら最初の第1問目の場合は、この問題の正解/不正解で獲得スコアの得点幅が大きく影響されるため、GRE経験者としては、確実に正解を導き出すために1分~2分使っても良いと思います。

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