GPAとは? - 全世界共通の大学生評価システム

GPA(Grade Point Average)は大学の成績評価の方法であり、特に欧米の大学で一般的に利用され学力を測る指標となっており、授業科目ごとの成績を再評価し、1単位あたりの平均を出す方法です。日本においても欧米標準システムに倣って公平な成績評価指標として導入する大学が増えています。文部科学省調べによると294大学(約40%:平成18年度)が導入しております。

例えば東大で言うと、各授業の成績に関して

 ・優(80~100点)【A】=4.0
 ・良(70~79点)【B】=3.0
 ・可(60~69点)【C】=2.0
 ・不可(59点以下)【F(Fail)】=0

を基準点として、それに各単位数を掛けて足した合計点を総単位数(履修登録単位の総数)で割ってスコアリングします。つまり、

  (A単位数×4.0+B単位数×3.0+C単位数×2.0+F単位数×0)÷総単位数

の計算式でGPAは求められます。ゆえに不用意に多くの講義を履修してFを取得してしまうと、それを上回る量でAやBを獲得してリカバリーしなければなりません。ちなみに東大の学業成績証明書には不可・未履修科目の記載はされないため、上記計算式中のF単位数×0の項が計算されません。このように大学ごとに学業成績証明書の表示形式は異なりますので、所属大学の事務室にお問い合わせ下さい。

現在の日本では大学生の就職活動中に企業がGPAを確認することは稀であり、在学中は「単位を揃えさえすれば卒業できる」という感覚の学生が多いです。しかしながらアメリカなどの欧米諸国ではGPAが就職活動に非常に影響を及ぼしており、GPA3.0の一流大大学生とGPA4.0の中堅大大学生がいた場合、(企業にもよりますが)後者も非常に高く評価される可能性が高いです。話は反れましたが、日本では成績内容が重視されない傾向にありますが、社会人になって後悔する時が来るかもしれません…。というのも、もし企業に就職し、MBAやLLMなどの取得を目指して海外トップスクールに留学するチャンスが訪れた場合、「学生時代にもっと成績上げておけば良かった…」ということになりかねません。TOEFLやGRE、GMATなどの点数で他の日本人より2歩も3歩も抜きんでることは正直難しく、他の海外諸国(特に英語圏)の受験生と比べると戦意喪失する可能性が高いです。こうなるとGPAが持つ重みがかなり高いのは自明であり、実際「学生時代何をどう学んできたのか」が一目で分かるGPAが合格者選抜における最重要項目であるトップスクールも少なくありません。

しかしご安心下さい。GPAが3.0以下でも大学院留学することは可能です。

GPA2.9でHarvard Universityのビジネススクールに合格した方を知っていますし、正直自分もそのご多分に漏れません。GPAは選考プロセスにおいて重要ではありますが唯一の存在ではありません。そもそも大学がGPA2.5以上を入学基準としている場合もありますし、一般教養科目をGPAとして計算しない学校や、専攻分野に関連した特定科目に比重を置いてGPAを計算する学校もあります。またはエッセイや職歴、研究成果・学会実績、推薦状などその他の条件で秀でるものがあれば選考担当者は志願者に将来の可能性を見出すわけで、所詮「過去の基礎学力の蓄積」でしかない低いGPAスコアはカバー可能なのです。ですから、単にGPAがすこぶる悪かったというだけで、自分の目標を諦めるのはナンセンスです。仮にGPAが低い方は、いかにして他の武器を以て低GPAを補うか、ということを考えながら大学院留学の準備を進めましょう!

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