GRE試験の終了後、「スコアをキャンセルする」か「スコアを確認する」を選択する画面が出てきますが、ここで「スコアを確認する」を選択すると、Writingセクション以外のVerbal・Quantitative両セクションのスコアがPC画面上で確認できます。Verbal・Quantitativeセクションのスコアは、最低200点・最高800点で、10点間隔で表示されます。またスコアレポートが来て初めて分かるWritingセクションの得点は、Issue Task・Argument Taskそれぞれが6.0満点(0.5点刻み)で採点され、その平均点が最終的なスコアとなります。
受験者にはWritingセクションを含む3セクションのOfficial Score Reportが郵送されます。GREスコアの有効期限は5年間です。出願時に5年を超えているスコアは正式なものとしては受け入れられないので、再受験する必要があります。
とはいえ、スコアが低調になる可能性を危惧し過ぎて、アプリケーション提出締切日ギリギリになるまで受けないというのも問題があります。受験者は1ヵ月に1回しか受けられないため、締切日の月に受験して万が一低得点だった場合、再受験ができないということになります。また選択回答式でないWritingセクションの採点に時間を要すということも念頭に入れておく必要があります。
ゆえに、受験1回目のスコアが芳しくない(と思われる)としても、提出締切日を鑑みて余裕を持ったスケジューリングを行った上で、複数回受験することをお勧めします(管理人は2回受験しました)。書籍やテキストといった紙上の問題を解くのと、PCの画面で問題を解くのとでは大違いです。フォントや文字サイズの違い、スクロールの有無といった違いがたくさんあり、特にVerbalの長文読解時に“違和感”を強く感じるはずです。Computer-Basedの試験回答形式に慣れるといった意味でも、複数回の受験がベターではないかと思います。
大学院側には過去5年間のスコアが全て送付されますので、初期に悪いスコアがあったとしてもそれを除去することはできません。しかしながら入学審査委員会はスコアの伸び具合やベストスコアを中心に見ますので、初期の低得点にこだわり過ぎる必要はなく、むしろ高得点を取れる・自身のハイスコアを更新できる自信があるのであれば、何回受験しても良いと私は考えています。
【スコアとパーセンタイル】
CBT形式のGRE General Testにおいて、Verbal・Quantitative両セクションのスコアは、制限時間内に答えた回答数・出来・設問難易度で決まります。
最低点200点から800点満点のスコアリングになりますが、自分の得点に対して『パーセンタイル(Percentile)』が与えられます。このパーセンタイルは、各セクションにおいて、自分が獲得した得点より下の得点を獲得したGRE受験者が全受験者の中で何パーセントいるかを示した値、つまり自分の得点が全GRE受験者内でどのような位置付けにあるかを表す数値です。このパーセンタイルの値が高ければ高いほど自分より得点の低い人が多いということなので、その獲得した得点は優れていると言うことができます。Verbal Reasoning・Quantitative Reasoning両セクションの獲得スコア、Analytical Writingセクションの獲得スコアに対するパーセンタイルの値はETS公式サイトのスコア解釈ページでご確認下さい。
このパーセンタイルという値は相対的数値としてGRE受験者は非常に敏感になる必要があります。Verbalの460点が50パーセンタイルだからといって Quantitativeの460点も50パーセンタイルというわけではなく、たった21パーセンタイルに過ぎません。Quantitativeで全受験者の半分以上になる(=50パーセンタイル以上を取る)には600点以上が必要となります。また、Verbal・Quantitative両方で上位10 パーセントになるには、Verbalでは620点を超え、Quantitativeは780点以上を叩き出す必要があるというわけです。同様に Writingでは、4.5以上で上位半分のグループに所属、5.5以上で上位10パーセントに入ります。
【スコアリングの重み付け】
CAT(Computer-Adaptive Test)形式のVerbal・Quantitative両セクションは、単に1問10点といった単純累加式の得点計算はなされず、受験者レベルに見合った問題難易度・得点比重によって総得点が変化する、少し変わった得点計算方式を採用しています。
出題プロセスとしては、まずは難易度が中程度の問題が出題され、前の問題の出来不出来によって次の問題のレベルが上下します。そして、一番重要なのは、序盤の問題群、特に最初の問題に高い得点比重がかけられており、1問当たりの得点価値は後半に行くに従い少しずつ低下します。つまり、前半重視の得点配分構成となっているのです。1問目で受験者のレベルを判定、前半で獲得スコアの大枠を決定し、後半で得点調整する、ということです。つまり、何が何でも1問目は正解したいのです。しかし後半の得点比重が低いからといって、前半に時間をかけ過ぎて後半に未解答部分を残し、全ての問題に解答できないのでは余計にスコアが下がる恐れがあります。ですから綿密な時間配分がこのCAT 形式の試験には必須なのです。
GRE本試験と同じ出題形式・配点調整を行うGRE Power Prepスコア分析(AGOS JAPAN提供資料)を参照するとその傾向が如実に表れています。以下のスコアは全てVerbal Reasoningのスコアです。
≪ケース1≫
(第1問)× →(序盤9問)正解数5問 →(中盤10問)正解数7問 →(最終10問)正解数6問
正解18問・不正解12問 ⇒ 最終スコア:350
≪ ケース2≫
(第1問)◎ →(序盤9問)正解数4問 →(中盤10問)正解数5問 →(最終10問)正解数7問
正解17問・不正解13問 ⇒ 最終スコア:440
≪ケース3≫
(第1 問)◎ →(序盤9問)正解数6問 →(中盤10問)正解数4問 →(最終10問)正解数6問
正解17問・不正解 13問 ⇒ 最終スコア:570
≪ケース4≫
(第1問)◎ →(序盤9問)正解数8問 →(中盤10問)正解数6問 →(最終10問)正解数6問
正解21問・不正解9問 ⇒ 最終スコア:640
また、与えられた問題に正解しても次の問題が難易度が高い高得点問題となったり、不正解だからといってすぐに易しい問題が出題されたりするというわけではありません。それまでの解答状況等を幾つかの要素が基となって出題問題が決定されます。
【専攻分野別GREスコア】
各大学院・各専攻分野によって、求められるGREの得点は変化してきます。工学系・科学系はQuantitativeで高得点が求められるのに対し、人文学系・教育学系等ではVerbalのハイスコアが要求されます。以下データはInterpreting Your GRE Scores(PDF)を参照しております。
GRE General Test平均スコア表
受験者総数 | 平均スコア | |
Verbal Reasoning | 1314159 | 462 |
Quantitative Reasoning | 1313671 | 584 |
Analytical Writing | 1304999 | 4.0 |
GRE General Test専攻分野別平均スコア表
Verbal | Quantitative | Writing | |
Life Science | 457 | 575 | 4.2 |
Physical Sciences | 484 | 692 | 4.2 |
Engineering | 468 | 717 | 4.1 |
Social Sciences | 488 | 560 | 4.4 |
Humanities | 545 | 561 | 4.6 |
Education | 449 | 530 | 4.2 |
Business | 441 | 594 | 4.0 |
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