TOEFL iBT 4セクション徹底解説【Reading】

TOEFL iBT本試験の最初のセクションはReadingです。大学レベルの教科書と同レベルのボキャブラリーや構文を用いた文章(およそ1パッセージ600 語~800語程度)が出題され、歴史や天文学、考古学、生物学、芸術史などのアカデミックなテーマが中心です。しかしながら特定領域の学術専攻や専門知識の有無がスコアに影響を及ぼさないように作られており、受験者の英語力が真に問われる問題ばかりです。

Reading セクションの概要としては、
・配点:0~30点
・時間:1パッセージ20分→2パッセージ40分
・問題数:1パッセージ 12~14問(全問選択式)
です。またReading・Listeningいずれかのセクションでダミー問題を解く必要がありますので、 Readingセクションでダミー問題が出る際は、通常の計3パッセージに加えてもう2パッセージ(40分)が出題されますが、前半2パッセージ・後半2 パッセージどちらがダミーかは分かりません。


Readingセクションの解き方は大まかに分けて2通りあると思います。

(1)1 度パッセージを全部読んで内容を把握してから、各問題に取りかかる
(2)パッセージを全て読まず、各問題が出題される際に指定段落及び周辺の文章を読み解答する

自分は(2)の方法で解きました。(1)のように最初にパッセージを通読して問題を解くと、制限時間に焦ってしまって自身の記憶に頼りがちになってしまい、悪い傾向として自分の頭の中で文章内容を勝手に他の情報で補完してしまい、「なんとなく」で選択肢を選んでしまいがちです。問題は主に一段落内の情報を基に出題され、パッセージの流れに沿って設問の順番が構成されるので、序盤の問題がパッセージ最終段落にあるということはほぼありません。ゆえに(2)のように設問を解きながら文章を読んでいくと、自然とパッセージ全体を読むことができ最後の文章要約問題も解くことができるのです。


そして設問の出題形式はほぼ決まっており、以下の9パターンが主たる出題形式です。

(1)文脈中の特定単語/フレーズの意味として最も近いものを選べ
【問題文例】
The word(or phrase) "X"(単語/フレーズ) in paragraph A(段落番号) is closest in meaning to ... / could best be replaced by ...
【解法】
単に単語の意味を問う問題もありますが、「文章中における」単語の意味を考えなければならないので、単語力+文脈理解力が必要となります。厄介なことに、単語の基本的意味としてはこの選択肢が最も近いのに文脈上の単語の役割としてはこの選択肢の意味が最も当てはまってしまい選択肢が2つ残る場合が多々あります。この場合、問われているのはパッセージ内における指定単語の意味・役割なので、今まで培った読解力を信じて文脈の意味において最適な選択肢を選びましょう。

(2) 代名詞が具体的に示すものを選べ
【問題文例】
The word "X"(代名詞) in paragraph A refers to ...
【解法】
代名詞(指示代名詞・関係代名詞含む)が指す表現は必ず代名詞より前部分にあるので、前の文章に注目します(この時点で、代名詞よりも後に出てくる選択肢は消去してOKです)。代名詞の単数・複数にも注目し、関係代名詞であれば先行詞の種類を考えた上で、選んだ選択肢を代名詞部分に当てはめ、文脈内において齟齬をきたしていなければ正解となります。問題に出ようと出まいとパッセージ中の代名詞が具体的に何を示しているのかは理解しておく必要があります。

(3) 文章の意味を分かりやすく言い換えたものを選べ
【問題文例】
Which of the sentences below best expresses the essential information in the highlighted sentence in the passage?
【解法】
まずは指定された文章を精読し、意味のある部分ごとに分割します。その分割したパートの意味を文脈に沿った上で過不足無く含む選択肢を選びます。1つでもパートが漏れていたり誤った情報を含んだりしていればその選択肢は不正解として除外していきましょう。

(4)欠落した文章を挿入すべきパッセージ内の箇所を選べ
【問題文例】
Look at the four squares [■] that indicate where the following sentence could be added to the passage. (挿入文章) Where would the sentence best fit? Click on a square [■] to add the sentence to the passage.
【解法】
挿入文章を精読し、代名詞や段落におけるキーワードに注目して下さい。そして指定挿入箇所に挿入文章を当てはめて総合的に文脈的意味や時系列に齟齬が無ければ正解です。

(5)パッセージ内の情報に基づいて正しい選択肢/誤った選択肢を選べ
【問題文例】
According to the passage, ...
It is stated/indicated/mentioned in paragraph A ...
----
It is NOT stated/indicated/mentioned/discussed/true in paragraph A ...
All of the following are true EXCEPT ...
【解法】
設問内容を精読し、指定段落及びパッセージ内容と各選択肢の情報を照らし合わし、1語・1ヵ所でも設問内容にそぐわない箇所がある選択肢は省いていき答えを探します。文章に書かれていないことは正解にはなり得ませんので、あくまで自分の記憶に頼ることなく文章内情報ベースで客観的に取捨選択をして下さい。

(6) パッセージ内の情報に基づいて推定される事柄を選べ
【問題文例】
It is implied in paragraph A ... / It is most likely that ...
It can be inferred from paragraph A ... / What probably happened ... ?
【解法】
本文中に明示されてはいないものの、文章内の情報をベースに論理的に導き出せる内容を考察する問題で、自分はこの問題が一番苦手でした。その他の問題は事実ベースで解答できるんですが、この問題は文脈を理解して論理的推察を経て解答を導き出す必要があり非常に骨が折れます。しかしながらそこまで深い考察を要する問題は出ませんし、落ち着いて設問をよく読み、文章内の情報に基づいて推測すれば「こういう結論になるしかない」とまで考えられますし、正解を導くことができて残りの選択肢の誤りも見抜くことができるはずです。

(7)筆者が指定語句/フレーズを述べた狙いを選べ
【問題文例】
Why does the author ... ? / The author mentions X in order to ...
【解法】
文章読解を通じて筆者の意図や論理構成の理解が求められる問題で、指定語句/フレーズがパッセージ内においてどのような役割を持っているかを分析することで選択肢を絞り込むことは可能です。また、1パッセージだけで評価するにしては明かに言い過ぎの表現(例:prove(証明する)、demonstrate (論証する)など)や極端な程度を示す表現(例:never、alwaysなど)が見られる場合は正解っぽくても不正解と疑う必要があります。

(8) パッセージを要約した選択肢を選べ
【解法】
Readingセクションの最終問題であるパッセージ要約問題は、(Ⅰ)6つの選択肢の中で3つを選びパッセージを簡潔に要約する形式と、(Ⅱ)パッセージの論理構成に基づいて選択肢を分類しリストを完成させる形式の2通りがあります。配点としては、(Ⅰ)の場合は、3つ全て正解で2点・2つ正解で部分点1点となります。(Ⅱ)の場合、選択肢7つと選択肢9つの2パターンがあり、不必要な選択肢は常に2つ存在するので、選択肢が7つの場合、5つ全て正解で3点・4つ正解で部分点2点・3つ正解で部分点1点・2つ以下の正解は0点となります。また選択肢が9つの場合、7つ全て正解で4点・6つ正解で3点・5つ正解で2点・4つ正解で1点・3つ以下の正解は0点となります。このように他の問題よりも高い配点なので、気を抜かずパッセージ全体を精読する必要があります。傾向として対比的構造や抽象的表現は"文章のまとめ" として正解になりやすく、一方で、具体的過ぎる選択肢やパッセージで示されていない情報を含む選択肢、正しい情報ではあるがパッセージの主題とは遠い選択肢は"文章のまとめ"としてそぐわないので消去することができます。

そもそもコンピュータを用いて解答するのですが、他の問題が選択肢をクリックするだけで良いのと異なり、この最終問題は、適切な選択肢を指定箇所へドラッグする必要があります(ドラッグした選択肢をクリックすると元の選択肢の場所に戻ります)。そして、[View Text]のボタンをクリックするとパッセージ全体を見ることができるので、解答確認のためにも[View Text]はしっかり使って見直す必要があります。

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